午後からさらに。

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あんなに長く感じた1日は、 最後の6限目が終わったら 意外に早く過ぎたなという感覚だった。 でも今日はいろいろあって なんか疲れたから、 早く帰って、ご飯食べて寝たい。 ゴソゴソと鞄に荷物を詰めて、支度を終えると、ミワコが先に席を立った。 「朱莉、ナナミ、また明日ね~」 「あ、古川くん来る?」 「うん、もう終わったって。」 「また明日ねーミワコ!」 「バイバーイ」 ミワコが出て行くと同時にナナミも鞄を肩にかけて、ふんっと意気込んだ。 「じゃあ私、気合入れて今から3年の聞き込みしてきます!!」 「えぇ?!そんなの出来るの?!」 「任せて!!ナナミはいろ~んな人と繋がりを作るのに命かけてるから!」 「すごいなぁ」 「えっへへ~、行ってきまーす!」 「あ、また明日ねナナミ!」 手を大きく振りながら出て行くナナミを見届けて、私も教室を出る。 下駄箱を抜けて、いつもの帰り道、通りすがるカップルを見ては、観察する。 嬉しそうに顔を綻ばせる女の子。 それを優しく見つめて少し照れてる男の子。 なんだか、私にはとても無縁の物に見えてしょうがない。 ハァー ァ。 盛大なため息をついて、歩く速度をあげた。 携帯を取り出しても、さっき別れたばかりだから、ミワコやナナミからのメールはない。 サイトのお知らせとかそんなのばっかり。 最近ハマってるパズルゲームをしながら帰路につく。 最寄駅から家まで徒歩20分。 歩くのめんどくさいなぁ。 先月自転車を盗まれたのが痛すぎる。 やっと着いたと思って角を曲がる。 瞬間、 自然に体が固まった。
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