午後からさらに。

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ふと、真向かいの、 功の家が気になった。 私の部屋と功の部屋は、2階の通りに面した間取り。 なので私の部屋の窓から、功の部屋の窓は、 狭い道路を挟んで一直線で向かい合ってる。 昔はここからよく話しかけて、 うるさいって怒られたっけ。 そんなに話したいなら、 降りて玄関前で話しなさいって。 思い出して、懐かしさにふふっと笑みがこぼれた。 と、同時に今の現状がのしかかる。 確かに、そんな時もあったのにな。 私は何も変わらないのに、 周りが変わっていく。 周りの変化に合わせて、 私も変わらないといけない気がする。 周り、私の中でそれを指すものは、 まず、功だった。 ---------------------------------------------- 「朱莉、あんた。帰ったならただいま位言いなさいよね」 「…うん。」 「お父さん、少し遅くなるらしいから、先に食べちゃいましょ!」 ご飯を見下ろしながら、どことなく素っ気ない返事になる。 今日のメニューは、ブリの照り焼きに、だし巻き卵。茄子とひき肉の味噌炒め。胡瓜とワカメの酢の物と、赤出汁。 この中に一つ、母が上機嫌じゃないと出さない1品がある。 「何か良いことあったの?」 「え?なんでー?」 語尾を伸ばすな語尾を!! 多少噛み合わないテンションにイラッとしながら、だし巻き卵を指す。 「いつもはただの卵焼きだもん。」 「あぁー、ンフフ。 あるにはあったけど、些細な事よ。 そんな事よりも、今日のブリは美味しく出来たわよ! 食べて食べて!」 「…イタダキマス。」 「いただきまーす」 あるにはあったんだ。 それはさっきの事?とはまた別件で? 心当たりが私にはそれしかないから、其処だけが該当してるんじゃないかと変に当てがってしまう。
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