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結局、聞こえなかった会話の部分は聞けずじまいで、食事は終了。
お母さんは、『また功ちゃんと話したいな~』なんて、
アイドルを追いかけるような発言をしてた。...放置。
食事が終わり部屋に戻って、カーテンを閉めようと窓に寄る。
目の前の功の部屋に明りが灯っていて、主が居ることを示す。
向こうもカーテンを閉めてない。
...もし、今功が出てきて、
昔みたいに話したとしたら?
本当に功が、変わってないとしたら?
「っ!」
ふと過る、痛すぎる記憶。
迷惑そうな、あの冷たい目。
無理。
無理。
また、
あんな顔されるなら。 されるくらいなら、
気まずくない、
あいさつする程度の間柄でいい。
『シャッ!!』
ズキズキを誤魔化したくて、勢いよくカーテンを閉めた
瞬間、功が窓を横ぎったのが、見えた。
ベットに突っ伏して、枕に強く顔を押し付ける。
忘れてたのに、
言葉を交わしたせいで、
功がまた、
私の中でリアルになった。
「...変わったよ...功は。
だって、いないもん。もう。」
私の心は、
今もあの時の功に、揺さぶられてる。
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