はじめに。。。

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やっと4限目が終わってお腹の空き具合もピークに達していた。 私はお弁当じゃないので、近くのコンビニまで買いに出る。 (ウチの学校は中に購買部がないから、門の前にあるコンビニまでなら出てもいいという事になってる。) ミワコとナナミは早くね~と念を押してくる。 そんなに期待されても、何も応えられないんですけど。。。 変なプレッシャーに圧迫される。 毎日毎日、このコンビニはお昼になると争奪戦が激しいから、同じ名前の駅付近のコンビニとかよりも、はるかにお弁当類、パン類の在庫量が多い。 限定品は早目に来ないとないけど、大体の定番商品や新商品は買えるから、安心感がある。 ふと、新作の安納芋を使ったパンが気になった。 甘いのかな。甘すぎたら嫌だけど、あんぱんみたいにお腹に溜まって和な甘さなら食べたいな。 そう思い悩んでいるうちに、表に出てるラスト一個の安納芋パンは私の右側から出てきた、スラリとした綺麗な手の男の人に持って行かれた。 あー。やっちゃった。 私のこの即決出来ない性格、何とかならないかな。 自分がすぐ手に取らなかった事を悔いて他のパンに目を移す。 すると、サンドイッチなどが陳列してるコーナーであまりに分かりやすく悩んでるウチの生徒がいた。 2年では見たことないから、あの風格だと3年? 体がガッチリしてて、背も高い。 運動部なんだろうな。。。 短髪の黒髪がツンツン元気に上向いてる。 「ぅおー、めっちゃ悩む。 これは究極の二択だ。やばい。 金があれば2つとも買うのに! しかし、コーヒー牛乳は外せないし。うーん。 どっち取っても後悔するよな、これ」 えぇ? パン選びでそこまで? ていうか、片っぽ明日にするとかそういう選択はないのかな? 怪訝な顔で見すぎてたのか、視線を感じたのか、いきなりその人は私に振り返った。 わ。目力強い。 眉も意志がハッキリしてそうなくっきりライン。 「ちょっといい?」 「へ?」 「あんさー、君だったらコレとコレ。どっちを選ぶ?てかどっちが美味しそう??」 「えぇえ?そんな、いきなり。 あ、でもこっちかも。」 「よっしゃ!!!決まり! ありがと後輩!!」 指されたパンがホットドックにアボガドが挟まれたのと、卵とベーコンと カマンベールチーズが入った、お腹に溜まりそうなおかずパン。 私はチーズが好きだから後者を選んだ。
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