夢じゃない

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ざわざわ・・ その時、どこからか、穏やかな風が吹いて、鳥居のすぐ近くにあった、大きな樹が揺れた。 良く見ると、木の根元近くに深い傷が、残されていた。 俺は、思わず樹の傷跡を眺めた。 傷跡にもバイクのライトの破片が、食い込んだままだった。 俺は、何だか気が引けてしまい、ライトの破片を抜いていた。 この樹に、ぶつかったんだ・・・ 改めて、樹を下から見上げると、かなりの歴史を持っている、立派な松の樹に見えた。
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