1 追跡者の誕生

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 おれに思惟の声を聞こえなくしているのは美刀だ。  とにかく美刀と連絡がつかないことには何もできない。 「何でもいいから美刀と連絡!」  母が、見えない何かをさがすように空中で拳をにぎった。 「そう? 美刀、ちょっとうちの息子が来てくれって言ってるんだけど、来れる?」  ごく普通にしゃべった。 「何だそのふざけた連絡方法!」 「あら昭人、守護の使い方も知らないの」 「呼べば来るのか」 「来ないわよ。試しにネットワーク!」 「意味わかんねえし!」 『お邪魔します』  何の脈絡もなく、美刀が現れた。  以前は白い和装だったが、茶色のズボンにパーカーを合わせている。  髪は相変わらず白だが、違和感はなかった。 「来てんじゃんか!」
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