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おれに思惟の声を聞こえなくしているのは美刀だ。
とにかく美刀と連絡がつかないことには何もできない。
「何でもいいから美刀と連絡!」
母が、見えない何かをさがすように空中で拳をにぎった。
「そう? 美刀、ちょっとうちの息子が来てくれって言ってるんだけど、来れる?」
ごく普通にしゃべった。
「何だそのふざけた連絡方法!」
「あら昭人、守護の使い方も知らないの」
「呼べば来るのか」
「来ないわよ。試しにネットワーク!」
「意味わかんねえし!」
『お邪魔します』
何の脈絡もなく、美刀が現れた。
以前は白い和装だったが、茶色のズボンにパーカーを合わせている。
髪は相変わらず白だが、違和感はなかった。
「来てんじゃんか!」
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