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「ごめんなさいね、守護でもないのに呼びつけて」
『いや、どうせ広希に置いていかれて暇だった』
当然のように、空いていた父の隣に座った。
「呼ぶ、来てる!」
「うるさいわねえ、この子は。思惟たちは自分が動けないから隣近所でネットワークを持ってるの。そこを利用しただけよ」
「そんな非現実なこと、うちの中でやるなよ!」
「あら、あなたの持ってる携帯だってある意味非現実的よ。そんな四角いもので声も文字も届けられるんだから」
「……や、もういいです」
母親とはいえ、なぜ連城家の人間と会話するのは、こんなに疲れるんだろう。
ふと、美刀と目が合った。
『広希に浄火と駆け落ちされた』
「あ、そうらしいな」
『私もお前と浮気をする。守護にしてくれ』
緑の思惟は男女や年齢、大きさも関係なく化けられるが、美刀はどう見ても、男だ。
「なんかちょっと違う……気がするけどな……って、待て! なんかメール来た」
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