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と、ここでドアの開く音が大きく聞こえた。
わたしは少しだけ、ケータイから耳を離した。
お母さんが、かなり疲れきった様子で、リビングへ入ってきた。
「おかえりなさい」
小さく「ただいま」と聞こえたが、わたしを見てはくれなかった。
わたしとお母さんの間に、冷たい空気か流れる。
「もしもし?」
「あ、ごめん! お母さんが、帰ってきて」
「そっか、こちらこそごめんね。いきなり電話して」
別に気にしてないし、正直ハルとはまだ電話をしていたかった。
そんな気持ち、言えるわけもなく。
ハルに流されるままに、結局通話が終わった。
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