プロローグ

4/6

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「ちょ、な、なによ?!」 「スズって、面白くて、可愛いなって思って」 「は?! 答えになってないしっ!」 椅子を飛ばす勢いで立ち上がり、いつまでも笑うハルの頭上から、声を荒げて言う。 「まぁまぁ、落ち着いて」 笑いがだいぶおさまったようだ。 ハルが私を見上げて、太陽のような暖かい笑みを向ける。 私はこの顔に勝てない。なんでも許してしまう気持ちにさせる。 ハルはそれをわかっていて、ここぞというときに使ってくるのか、それとも全くわかっていないのか・・・・・・・ はぁ、とため息をついて大人しく椅子に座る。 「ね、一緒に弾こう」 ハルが私の手をとり、鍵盤に優しく置いた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加