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朝霧の中、スパンっと空気を矢が切り裂く。 「いつ聞いても小麦ちゃんの的に当たる矢の音はいいね!」 「あたる先輩」 今日は朝練の日。 私は弓道部に所属している。 部活も中学の頃から弓道部。 入った理由はアミリーの武器が弓だから。 別に私がアミリー大好きなわけじゃないのに。 「ところで、俺との付き合い考えてくれた?」 「・・・・・・何回も言ってますけど、私あたる先輩の彼女にはなりません」 この人は、斎藤 當(さいとう あたる) 弓道部の先輩。 1年の時から面倒を見てくれている。 この間、引退の時に私に想いを伝えてきた。 正直、あたる先輩は顔もいいし、アニオタじゃないし、センスもいいし、喧嘩もしない。 何より大人! コタと違って、大人!!!! でもやっぱり、私の心にいるのはコタだから・・・・・・。 「全く。あんな男の何がいいのか」 「先輩にはわかりませんよ」 自分でもわからないくらい、コタのことが大好き。
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