我還る、三十六歳ノ春 第2話

蘇る初恋

靖『もしかしたら、俺も帰るの怖かったのかもしれない。だって情けないよな。いい年して会社潰れたからってさ、今更実家に帰るなんて・・・だから君と同じ様にバスに揺られて考えたかったんだ。これから仙台で、自分はどうやって生きて行くのかを・・』

靖（Ｎ）
『るりは、俺を黙って見つめていた。そして呟くように言った』

るり『なんだ、私たち同じ気持ちだったんだね』

靖『だから出会えたのかもしれない』