渡天桑海(とてんそうかい)

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「少し違う、タフを読んでる人を明か沙汰族と言うんだ。」 「そうなんですか、じゃあ私もすぐ明か沙汰族ですね。」 「そうだよ、読んでみて感想あったら聞かせてね。」 「はい、読んでみます。」 祥子は素直にそう言い、大切そうに自分のバックにタフを仕舞った。 カナタに戻り、祥子はレジへ立ち、洋一は奥へ入る。 洋一はタフを贈呈出来たので、今日を充実した日の内に数え上げ、更に充実する為に仕事に熱中した。 17時、勤務を終えた祥子が身仕度をし挨拶を済ませて帰って行った。 家までは自転車で10分だという。 21時、洋一も仕事を終え私服に着替えて帰路に着く。 「あー、今日もよく働いた!」 シャワーの後、いつもの様に遅い夕飯をとって、TVは見ず午後11時パジャマに着替えてベッドへダイブする。 睡魔はすぐに来たり、安らかな寝息を立てて洋一は眠った。 翌日の朝7時、ソファーで新聞を手に取り念入りに読む洋一。 新聞の記事は昨日のテロ事件が一面であった。 「またイスラムテロか、宗教まで信じててどうしてそうなるかな、可哀想に。」 洋一は宗教信仰はしていないが、明か沙汰会を信用している。
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