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昨日のカラオケスナックでの飲酒が響いたのか、32才尾上洋一は朝を通り越し昼日中に目覚めた。
ウトウトしながら、壁時計を眺める。
13時10分である事を確かめただけで、ベッドから起き上がろうとはしなかった。
幸いに今日は休日であるし、誰とも会う約束もない。
二度寝の浅い眠りの中で、今は離れて暮らす母親の夢を見た。
何か母親に構われていて、それを拒否している自分自身であった。
14時になり、今度はベッドから起き上がった。
洗面所へ向かい、シュワシュワと歯磨きをしつつ、髪を整え顔をチェックする。
黒髪の短髪に黒い瞳に身長178センチで筋肉質…カラオケスナックのホステスが言う程、イケメンでもない。
歯磨きと洗顔を済ますと
「ああ、よく寝た、ファー。」
両手を上げて背伸びしつつ、小さく欠伸をした。
「新聞、新聞。」
リビングに行き、玄関ドアの郵便受けから持って来た新聞を、立った儘ガサガサと開いて連載小説を探したが、先日来の休稿である。
「つまんねえ、まだ休みかよ~ったく。俺、連載なかったら、自分でストーリー作るし、作家先生のライバルになっちゃいま~す宣言ってか。フフン。」
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