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月曜日、洋一はいつもの出勤途上で自転車に乗っている祥子に会った。
祥子も洋一に気付いて笑みをこぼし、自転車から降りて押しながら洋一の隣に付けた。
洋一は良い機会なので手作り御弁当の真意を尋ねてみようとした。
「ねえ、御弁当有り難いんだけど今一訳解んない……」
「御迷惑なら次からしません!」
祥子は洋一の言葉を遮って言い放った。
洋一は口つぐんでしまった。
「すみませんでした。」
そう言って自転車に乗り直し、パタパタと駆けて行く祥子。
もしかして洋一の鈍さを詰っているのか、祥子。
洋一は少し出遅れてカナタに向かう。
カナタについてレジに立つ祥子を見つけアカサタと挨拶したら、アカサタと元気に返事を返してきた。
洋一は朝の手すきな時、再び祥子に話しかけた。
「最後まで聞いてくれる?いつも悪いから、次からは俺に奢らせてくれるかな。」
「えっ、そうだったんですか、私ったら。」
顔を赤くする祥子。
誤解は解けた。
昼休み、商店街のイタリアレストランで2人でランチをとる。
「この方が自然だよね。」
「はい。」
祥子はまだ恥ずかしそうにしている。
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