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アースクロスの学習には、同時に特有の新語が有ったりして、元が日本語だからとの油断は禁物である。
洋一は日本語は本格的な世界共通語と化すとし、その教養を提供する会の姿勢に共感を持って会員になったのである。
学業には10年ブランクが有る。
教材には古文からのジャンルが有り、これは専ら外国人の方が拘っている。
言葉の背景を文化人タレントがコント演技して示し、その語を学ぶのである。
DVDには新語の公募や推薦の応募の案内も入っている。
洋一は度々それらを利用していて、会員としては熱心な方だ。
入会してから今までの6ヵ月、洋一の創作語が一つアースクロスに入選した。
「雨会(うえ)」である。
傘の花が咲くしずしずとした雨の情景。
賞状もいただいた。
また、アースクロスで語る人との対話は自分では失念している語も多いが、美しいアースクロスの言葉には魅了されている。
悪しき言語も批判的な表現の中では使うので、しぶしぶ覚える。
さて教材で習った言葉を駆使して、宿題400×1枚の小稿を書かねばならない。
洋一はデスクに向かって椅子に座り、そそくさと原稿用紙とペンを用意した。
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