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自炊した夕飯を終え、バスタイムとてくつろぎの一時、明日の勤めを辿る。
「新しいバイトが来るんだっけ、少しは楽になるかもな。」
洋一は千林駅前のハンバーガーショップ『カナタ』の副店長である。
商社を退職してバイトに入った6ヵ月を含め、勤めは2年になる。
新しいバイトに仕事の手順を教えるのに1日かかる事だろうが、目先の新しさで良い1日と化すだろう、洋一はそう考えて問題は無いとした。
バスタイムを終えた洋一はパジャマを着込み、リビングのソファーで再びタフを読み耽る。
その後、タフを手にした儘ベッドへ。
来る睡魔に身を委ねて眠りについた。
洋一のようにタフを読んでいる者は、世間では明か沙汰族と呼ばれている。
対して明か沙汰族はタフを読んでいない人々を御無沙汰族とし、明か沙汰族へとの地道な勧誘を彼らに手向けるのであった。
明か沙汰会は国家の枠を出でたいというのがその創意であったが、明か沙汰族はアースクロスの言霊が日本語たりたいと微妙に変わりつつある。
その変化を世界共通語で『明か沙汰族の家路』とした。
国家に帰還出来るのは、良い事ではある。
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