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浜霧大学付属浜霧高等学校…本当に存在するなんて。
話はかなり有名だった。
授業料などの金銭面が一切無料なのもそうだが、一般入試を設けていないことも有名だった。
招待状を持つ者しか入れない。
浜霧高校は謎が多い学校だ。
そんな高校から俺の元に合格証が来たのだ。
この封筒に最初に気がついたのは母親で、封筒を持ってノックもせずに俺の部屋に駆け込んできた。
『浜霧高校から合格証が来た!!』
母親はそう叫んだが、正直何が起こったのかそのときの俺は分かっていなかった。
ようやく状況を飲み込めたときには、学校に行っているはずの妹や、仕事のはずの父親がなぜか家に帰って来て、家族会議が開かれていたのだ。
そして俺は気がつけば入学が決定していた。
封筒が届いてから一週間が経ち、俺は実感がわかないままぼんやりと机に向かって封筒を眺めていた。
もちろん、行きたい高校はあった。
地元の公立高校だ。
そこからも合格通知は来ていた。
浜霧高校なんて俺の中では都市伝説で、そんなところに行くという考えすらなかった。
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