七分の二日

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レボは当たりを見回す。 「にいちゃん!どこ!?」 今まで兄がレボに声をかけずに 外に出かけたことは一度もなかった。 それだけにレボは不安になって家を飛び出した。 そこでレボが目にした景色は絶望だった。 「えっ…」 言葉にならない声が出る。 レボは自分の目を疑った。 目の前に広がっている白黒の光景 そこには「色」がなかった。 空一面は雨雲のような黒い雲で覆われていて 太陽など微塵にも見られない。 昨日まで色鮮やかに咲いていた花々は まったくもって生命を感じられなく 真っ白になり枯れている。 「…そんな、」 レボは何度も目をこする。 しかし無情にもその情景が変わることはなかった。
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