#00   Prologue.

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「こいつが前話してた藤川よ!」 「どうも~」 それは、何気ない普通の出会いでした。 私はごく普通の専門学生。 藤崎愛[フジサキマナ] そして 「じゃ、俺先に家帰ってるわ」 「え!?あ、ちょっと!!」 風邪こじらせて今学校を早退したのが、愛の彼氏。 大和靖志[ヤマトヤスシ] 「靖、大丈夫なんかなー?」 階段を下りていく靖を心配そうに見つめていた。 軽く会釈をして教室に入っていったのは、以前から靖が愛に話してくれてた、靖と同じクラスの男の子。 名前は藤川龍[フジカワリュウ] 話はずっと聞いていたけど、見るのは初めてだった。 だけど正直、靖のことが気になって、あまり藤川くんの方を見れなかった。(廊下も薄暗かったし顔見えてなかったし) まいっか。学校終わったら家に行ってみよ。 靖は一人暮らしをしていて、家は学校から徒歩3分くらいの場所にあるマンション。 ─放課後─ 学校が終わると、すぐに靖の家へ向かった。 「靖大丈夫~?」 「おー」 なんとか話せるから大丈夫そうだけど…。 心配したよほんとに。 「待ってて、今おかゆ作るから。ゆっくりしてなよ」 「ありがと、愛」 一人暮らしだから調理器具もあまり揃っていない。 だって愛と付き合いだしてから近所のスーパーに菜箸とかフライパンとか買いに行ったくらいだからね。 やっぱ男の子だなって思ったよね。 ま、こんな靖と出会ったのは学校のオープンキャンパスのスタッフに、この夏から愛が選ばれたから。 そこで靖と出会い、当時の彼氏と別れそうなことを靖に相談してたら、だんだん彼に惹かれていったのが始まりかな。 それで靖も同じ気持ちだったみたいで、でも靖にも彼女がいて…。 その彼女と別れるまで待ってて欲しいって言われて、待って待って待ち続けて、やっとの思いで付き合いだしたんだけど。 両思いになって始まった恋だから大切にしたいと思っていた。 「はい!できたよ!」 「おー!ありがとー!……うまっ!めっちゃうまい!」 よかった。 これ食べて早くよくなってよ?靖。
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