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「こいつが前話してた藤川よ!」
「どうも~」
それは、何気ない普通の出会いでした。
私はごく普通の専門学生。
藤崎愛[フジサキマナ]
そして
「じゃ、俺先に家帰ってるわ」
「え!?あ、ちょっと!!」
風邪こじらせて今学校を早退したのが、愛の彼氏。
大和靖志[ヤマトヤスシ]
「靖、大丈夫なんかなー?」
階段を下りていく靖を心配そうに見つめていた。
軽く会釈をして教室に入っていったのは、以前から靖が愛に話してくれてた、靖と同じクラスの男の子。
名前は藤川龍[フジカワリュウ]
話はずっと聞いていたけど、見るのは初めてだった。
だけど正直、靖のことが気になって、あまり藤川くんの方を見れなかった。(廊下も薄暗かったし顔見えてなかったし)
まいっか。学校終わったら家に行ってみよ。
靖は一人暮らしをしていて、家は学校から徒歩3分くらいの場所にあるマンション。
─放課後─
学校が終わると、すぐに靖の家へ向かった。
「靖大丈夫~?」
「おー」
なんとか話せるから大丈夫そうだけど…。
心配したよほんとに。
「待ってて、今おかゆ作るから。ゆっくりしてなよ」
「ありがと、愛」
一人暮らしだから調理器具もあまり揃っていない。
だって愛と付き合いだしてから近所のスーパーに菜箸とかフライパンとか買いに行ったくらいだからね。
やっぱ男の子だなって思ったよね。
ま、こんな靖と出会ったのは学校のオープンキャンパスのスタッフに、この夏から愛が選ばれたから。
そこで靖と出会い、当時の彼氏と別れそうなことを靖に相談してたら、だんだん彼に惹かれていったのが始まりかな。
それで靖も同じ気持ちだったみたいで、でも靖にも彼女がいて…。
その彼女と別れるまで待ってて欲しいって言われて、待って待って待ち続けて、やっとの思いで付き合いだしたんだけど。
両思いになって始まった恋だから大切にしたいと思っていた。
「はい!できたよ!」
「おー!ありがとー!……うまっ!めっちゃうまい!」
よかった。
これ食べて早くよくなってよ?靖。
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