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二人は店を出ると、
真弓は、四純の腕に絡みながら歩いた。
ときより強い風が吹くと、
四純は、真弓の身体を引き寄せた。
真弓にはもぅ……
絵一のことも四純のことも分からなくなってきた。
ただ自分の心は、荒れ狂う大海原を漂う小さな船のようで、
とても情緒が不安定で苦しく……
早くどこかの港に辿り着きたかった。
真弓はふと気がつくと、
四純の温もりが、自分の唇に注がれているのを知った。
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