偉い絵描きさんとの再会

2/11
前へ
/11ページ
次へ
´ 「あらら~真弓先輩、 談話室でどうしたのですか?」  隅のテーブルに肘を付いて掛ける眞弓を指して、紀美子はそう言った。 「うぅん……キミちゃんどうもせんょ」 「そんなことないですよぉ。 先輩はねぇ、 珍しくも心と表情が一致する人なんですからね。すぐに分かりますょ」 「そうですよ。 姐御の場合は一目瞭然ですからね。   ねぇキミちゃ~~ん」  と、連れの男子Aも話に加わった。  絵ーと別れたその後、 真弓は自宅には戻らず、会社近くのファミレスに寄ってから出社したのだった。 「じゃ、訊くけんど、 あたしの悩みをば当ててみなょ」  と、むっとした面持ちで真弓は尋ねた。 「それなら真弓先輩…… 先輩が財布を落としたのならぁ……ギャーギャー騒ぐしぃ。 え~っと、先輩の、この首のうなだれ具合から察するとぉ……失恋かなぁ?」 「それも三角関係のよ」 「ええっ、同郷の彼とぉ運命の人ぉとですかぁ?」 「…………」 ♪ 遂に実らなかった彼とのぉ間に~~ ♪ 運命の人が! ♪ ある日ぃ突如現れてぇ~~ 「それで同郷の彼とは別れたんだ!」 ♪ でもでもぉだけどぉ~~ ♪(一緒に) 同郷の彼がぁ忘れられない~~ 「うるさーーーいっ!!  知りもせんのに人の悩みをば勝手に歌にすなっ。   バッカ―――ッ!」 (二人一緒) 「ほぅら、当たった―――!」 ´
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加