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「あらら~真弓先輩、
談話室でどうしたのですか?」
隅のテーブルに肘を付いて掛ける眞弓を指して、紀美子はそう言った。
「うぅん……キミちゃんどうもせんょ」
「そんなことないですよぉ。
先輩はねぇ、
珍しくも心と表情が一致する人なんですからね。すぐに分かりますょ」
「そうですよ。
姐御の場合は一目瞭然ですからね。
ねぇキミちゃ~~ん」
と、連れの男子Aも話に加わった。
絵ーと別れたその後、
真弓は自宅には戻らず、会社近くのファミレスに寄ってから出社したのだった。
「じゃ、訊くけんど、
あたしの悩みをば当ててみなょ」
と、むっとした面持ちで真弓は尋ねた。
「それなら真弓先輩……
先輩が財布を落としたのならぁ……ギャーギャー騒ぐしぃ。
え~っと、先輩の、この首のうなだれ具合から察するとぉ……失恋かなぁ?」
「それも三角関係のよ」
「ええっ、同郷の彼とぉ運命の人ぉとですかぁ?」
「…………」
♪
遂に実らなかった彼とのぉ間に~~
♪
運命の人が!
♪
ある日ぃ突如現れてぇ~~
「それで同郷の彼とは別れたんだ!」
♪
でもでもぉだけどぉ~~
♪(一緒に)
同郷の彼がぁ忘れられない~~
「うるさーーーいっ!!
知りもせんのに人の悩みをば勝手に歌にすなっ。
バッカ―――ッ!」
(二人一緒)
「ほぅら、当たった―――!」
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