偉い絵描きさんとの再会

8/11
前へ
/11ページ
次へ
´      ▽ 『絵一夫人にどう言って説明をすれば……』 『あたしは、どぅやって聞けば……』  先生は腕を組むと、 『絵一夫人は、画家のゴッホや作曲家のベートーベンをご存じじゃろ』 と睨みながら尋ねた。 『はぃ、よく知っちょります。   ……それが何か?』      ▼  四純はジョッキーを口に運んでから、ゆっくり静かにを置くと、 「真弓さん……、 僕は18日から仕事で東南亜細亜方面に出掛けます。 その前に……、 明日から国内各地にも立ち寄らなければなりません」 と語尾を強めて言った。 「はぁ……それで」 「それで真弓さん。 ……僕はニ十四日、イヴの夕刻には必ず帰ってきます」 「はぃ……」 絵一ぃ…… あたしは四純さんの側におると、 まるで魔法にでもかけられたみたいに、 四純さんに優しく包まれていくょ……えいちぃ…… 「それで……そのイヴの夜には、 僕を……あの樅の木の下で待って居て頂けませんか?」      ▽ 『じゃ絵一夫人、 ゴッホやベートーベンは何故にあげに有名なんじゃ? ……ん、』 『それはですがじゃ。  強力な凄い魅力じゃ! 他の人を圧倒する魅力が有るからじゃちぃ!』 『うん。 絵一夫人の言う通りじゃな。他のもんもそうなんじゃが……、 特に絵には、観る人の心を引き付ける強い個性的な魅力がないといかん!』 『絵一の絵にはそれがなかとですか!?』 『あることはあるんじゃがぁ……』 『じゃ、何でぇ?』 ´
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加