chapter1 夏の日に

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岡田さんは百六十センチを少し越すくらいはあるし、志穂ちゃんも茉里よりは二、三センチは高い。つまりはこの場においては一番チビな訳で… そんな失礼なことを思っているうちに茉里は志穂ちゃんの正面に到達しており、その白磁のような肌の覗く部分を舐めるように凝視していた。上下、同色で合わせたライトブルーのシャツとスカートという出で立ちは当然露出も多く、とうとう茉里は腰を屈め、脚に視点を変え始めた。 「こら、いくらなんでも不躾だろ」 変質者のような行動に余念のない茶色頭の脳天にチョップを叩き込んだ。これに関しては正義は俺にあるはずだ。 「にゃあ、痛いでしょうが!何するのよ理玖」 「何するんだじゃねぇよ、変態かお前」 むすっと膨れながらも志穂ちゃんの方へ向き直りぴょんと飛び付く。 「志穂ちゃんすっごい可愛いよー!あ、私のことはお姉ちゃんって呼んでね」 いきなり飛び付かれ、状況が飲み込めない志穂ちゃんは頭上にクエスチョンマークを浮かべたまま小さな口を開く。
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