序章

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そこでズボンのポケットに入っていた携帯を取り出すと鏑木は表示された日付を確認した。鏑木は今魔術学園の制服を着ており、制服の上着はベッドから少し離れた椅子に掛かっていた。日付は鏑木が屋上で寝ていた日の翌日、つまり屋上で寝ていた時から先程目覚めるまで、まだ1日しかたっていないことになる。鏑木は携帯の電波状況を確認したが携帯は圏外を示していた。 「携帯は使えないか…とりあえずまだ1日しか経っていないから、それほど遠くには来ていないはずだ」 鏑木はそう言うとベッドから立ち上がりベッドにかかっている制服の上着を掴むとそれを着ようと腕を通した、と、その時、部屋に1つしかない扉がギギっと音を立てて開いた、鏑木はまさかこのタイミングで人が入って来るとは思っていなかったので身構えるタイミングが遅れてしまった。誘拐犯の可能性は消えてはいたが警戒心をといたわけではなかった。
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