第1章

45/45
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
部屋に入ると神宮寺姉妹が寄り添うように部屋の隅で震えていた。先程の爆発による振動はこの部屋まで響いていたようだ。 「な…何があったんですか?」 由良が震える声で訪ねてきた。伊奈を怯えさせないようにしようと気を張っているようだがやはり怖いのか伊奈を握っている手が震えていた。 「今のところは大丈夫です。さあ神宮寺三年生、神宮寺一年生を立たせて上げてください」 「は…はい!」 由良に支えられて伊奈がゆっくりと立ち上がった。二人が部屋を出ると四人は建物の外へ走り出した。影宮が先頭を走り神宮寺姉妹を挟む形で藤寅が後ろを走った。四人は二階から一階に降りると藤寅が入って来た扉から外に出た。 「何処に行くんですか?」 由良が心配そうな顔で後ろを走る藤寅に聞いてきた。やはりろくな説明もなしにただ逃げるのは不安になるのだろう。 「ごめん!由良ちゃん、今は説明してる時間が…」 「止まってください!」 藤寅の言葉を遮り影宮が手を横に出し後ろの三人を止めた。と、影宮が停止した約1m先に数本の矢が突き刺さった。 「なっ?!」 「ひっ」 「きゃっ!」 後ろの三人がそれぞれの悲鳴を上げるなか影宮は意識を集中させ矢が飛んできた方向を見つめた。 「どうやらもう追いつかれたようです」 影宮は刀に手をかけると臨戦態勢に入った。藤寅も一瞬遅れるがすぐに態勢を整えると神宮寺姉妹を自分の後ろへおき同じく矢が飛んできた方向を見つめた。二人の目線の先には少し小高い丘があり四人がいた建物を見下ろす位置にあった。そこから何十人ものオリバント達と同じ鎧をきた騎士達がいた。 「あれが本隊」 「でしょうね」 目の前の敵と対峙している二人の後ろだ今だに情況がよめないでいる由良と伊奈はただ呆然と目の前の光景を見るしかなかった。 「あの…本当に何がどうなってるのですか?」 由良の言葉に藤寅は苦笑いで答えるしかなかった。 「ごめん、なんか大事になっちゃったぽいんだよね」
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!