307人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいか、オレたちは仲間だ。コンビだ。相棒だ。二人でぜってー犯人見つけんぞっ」
僕は伏し目がちにうなずいた。
心の中では、恐怖におののく自分と、興奮に高ぶる自分がせめぎ合っていた。
「おい、麦嶋。おまえ、下の名前、なんだったっけ?」
「麦嶋、公一だけど」
「公一かー。おまえ、高三なのに、公一とかって馬鹿にされたりしねーか?」
突然、なんだよ。
そんな低レベルな高校生は、どこにもいないよ。
あ、目の前にいた。
「まあ、いいや。オレたちは相棒だ。今からオレはおまえのことを公一と呼ぶことにするぞ」
なんだか知らないが、一気に距離を縮めてきた感じだ。
親近感。
僕はもちろん知っていた、彼の下の名前は智之。
馬場園智之。
「じゃあ、僕は君のことを・・・」
「おお、なんて呼んでくれてもいいぜっ。馬場園くんでも、馬場園さんでも」
あれれ?
だいぶ遠く離れてしまった・・・。
しかも、一方的に。
最初のコメントを投稿しよう!