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ということで、僕たちには二人きりの時間がたっぷりとあった。
だから僕は、あの話を聞いた。
彼に起こる、不思議な現象について。
馬場園くんの家は母子家庭だ。
お父さんは、彼が五歳の頃に離婚して以来会っていないという。
離婚の原因は、お父さんの暴力だった。
お母さんは馬場園くんが大きくなるまではと耐え忍んでいたが、その暴力が息子にまで及ぶようになって別れることを決意したのだそうだ。
ただ、本人はお父さんに暴力を振るわれた記憶はないらしい。
本当に忘れたのか、ただ思い出したくないのか、わからないけれど。
それから二年後、彼が七歳となり小学校にあがったばかりの夏だった。
夜十時過ぎ。
家で寝ていた彼を、突然閃光が襲い、目が覚めた。
目の前に稲光が走り、雷が落ちたと思った。
でも、雷鳴は鳴らなかった。
代わりに体中を痙攣が襲った。
背筋に悪寒が走る。
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