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「こんな連続して写真が出てくるなんて、初めてだ」
「自殺じゃ写真に写らないってことは、両方とも自殺にみせかけた他殺ってこと?」
「そうなるなぁ」
「だとしたら、同一犯の可能性が高いか・・・しかも、君の顔見知り。学校の関係者かな?」
それは身震いするほど恐ろしい可能性だった。
この高校のどこかに、連続殺人犯が潜んでいる。
そして、そのことを知るのは、馬場園くんと僕だけ。
「警察に言っても信じちゃくれねーからな。そのことは、ゲーセン事件で嫌というほど教えられた。下手すりゃ、自分が犯人にされちまいかねねぇ」
「どうする気?」
「どうするもなにも、オレたちでやるしかないだろ。二人で犯人、捕まえんだよ」
冗談かと思ったが、彼の真剣な眼差しは、本気度を物語っていた。
つい二日前までは、平凡で退屈な高校生活にどっぷり浸かっていた。
そんな日常が、来春までダラダラと続くのだとばかり思っていた。
なのに・・・。
これは、夢か、幻か、チェスタトンの作品の中の出来事か?
僕は今、とんでもない事件の渦中にいるのだ。
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