自分の尻尾を追いかける犬

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そのとなり、バスケ部の馬場園くんなら可能性はあるだろうけど、あんな茶髪のヤンキーに目をつけられた覚えはない。 じゃあ、いったい誰が? 後ろから投げられたと見せかけて、実は前の席から高く弧を描いて投げられた可能性はなにきしもあらず。 もしや、兵堂さんからのメッセージだったりして。 どうしよう、今日一緒に下校しようなんて誘われでもしたら。 淡い期待を胸に、紙を広げてみる。 僕の期待は雲散霧消し、代わりにクエスチョンマークが大量に頭に浮かんだ。しわくちゃの紙にはこう書かれていた。 『お前に告ぐ パき放おだけいさかお閉じさせるだまごおなら屋お必要が続いて敵上お相手の国にお目ありをの来お一瞬すいおます。』 なんだこりゃ。 意味不明。 いや、そうじゃない。 これは僕に宛てたメッセージか。 暗号のつもりかな。 でも、これじゃあ、なぞなぞレベルだ。
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