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ドアへとノックするなり男は再び部屋へと入って来た。手にはさっきホテルで見た一億円が入った鞄を持っている。 「先に約束の分を渡しておく」 「いらない」 「何言ってる?これはお前のだ」 「お金で買われるなんて、やっぱり納得出来ない」 「納得するしないの問題じゃない。お前は俺に買われたんだ。諦めろ」 男は私の顎を掴み無理矢理上向かされれば、至近距離でじっと見つめる。 まるで私を人間扱いしていないかのような冷たい視線にゾクッと背筋が軽く凍り付く。
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