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『いつだってキミは笑ってた
それが当たり前
笑わないキミはキミじゃない
でもやっと気づいた
笑ってるキミは偽りで
僕はただ、
偽りのキミしか見てないだけなんだと~』
テレビから流れる音楽。
わたし、氷室 奏(ヒムロカナデ)は、その曲に聞き入っていた。
違う…なんか、違う…。
この歌を歌っているアーティストの名前は、MISAという、今、大人気の歌手。
もともと、シンガーソングライターとして、動画サイトで人気だった。
それを、音楽プロデューサーが見つけたってわけ。
でも……、
なんか、違う。
今では、わたしが知っているMISAじゃない。
わたしが知っているMISAは、もっとキラキラしてて、
音楽が好きだって、溢れ出てるような、そんな子だった。
今では、なんか、『人形』みたいな感じ。
ふと、時計を見ると、11時を示していた。
「もう寝よ…」
テレビの前から立ち上がり、自室がある二階へ向かった。
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