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「はぁ……」
事務室でコピーを取った帰り道、体育館への渡り廊下の端で、ため息を付いている伊藤先生を見掛けた。
遠く、森の方を見つめるその視線には、哀愁が漂っているようで心配になる。
「伊藤先生?どうしました?」
「ぁ……すみません」
「謝ることはないですけど……深いため息付いてたので。すみません」
声を掛けない方が良かったのかと思って、お辞儀をして引き換えそうとすると、伊藤先生の元気のない声がした。
「……聞いてくれますか?」
「はい、私で良かったら」
「波瀬が……学校に来ないんです」
ドクンッ
胸の中で、心臓が大きく跳ねた。
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