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ひとつ、ため息をついてから本を抱え直して職員室に向かった。
廊下の窓から見える空は、澄んだ淡い色をしていて、ふわふわと浮かぶ雲がなんだか可愛い。
……羊みたいだなぁ…………
眠くなるなんて、教師の立場で言っちゃダメなんだろうけど、その空を見上げた素直な感想だった。
ガラッ
えっ?
私がガラス越しに見ていた空が、不意に剥き出しになって、視界にスクールバッグが飛び込んできた。
えぇっ!?
「キャア!」
バコッ!
うぅ……痛い……あんまり中身が入ってないらしいスクールバッグは、それでもしっかりと私にダメージを与えて下に転がっている。
ついでに私と抱えていた本達も……
め、眼鏡……うん、辛うじて壊れては無さそうかな?
「あれ?」
「あ、あれじゃありません!なんで窓から入ってくるの!」
「悪い、遅刻しそうだったから近道したんだよ。つーか怪我はねぇ?」
「ち、近道って!ここ二階だよ!?」
「俺2年だから」
……答えになってませんけど。
窓の縁に座っていた彼は、ピョンと飛び降りると自分のスクールバッグと、散乱した私の本を拾い集めた。

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