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屋上に着くと、いつもと同じ場所で昼寝をしている鈴谷を見つける。
全く、こいつは何しに学校に来ているんだか…
「起きろ。」
毎回同じフレーズ。
「起きないと、犯す。」
これも同じフレーズ。
「…………あぁ?」
鈴谷は目を覚ますと不機嫌そうに返事をした。
また犯し損ねた。
「戻るぞ。」
俺はそれだけ言うと踵を返し、扉へ向かう。
鈴谷が付いて来るのはわかっているので後ろは確認しない。
「…ダリィ…」
背後で鈴谷が小さく呟いた。
いつもは何も言わずに付いてくるだけなのに珍しい。
俺は振り返ると鈴谷の額に手を当てた。
「なんだ、熱があるのか…保健室で寝ればいいのになんでわざわざ屋上に来たんだ?お前バカだろ?」
俺は鈴谷の腕を掴むと保健室へと連行した。
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