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「ふ~、やっと到着。今日からこの学校に通うんだな」
俺はバスから降りて目の前にある、建物を見る。この建物こそが今日から通う学校。通称、望星学校。望星学校は今年出来た学校でこの学校では魔物から人々を守ったり、災害から救出するための知識を学ぶために出来た学校である。
「桜がまだ咲いてる」
「きゃっ」
後ろから何かがぶつかった。振り返ると金髪の女の子が尻餅をついていた。
「大丈夫かい?ごめんね、突っ立てて」
「あっ、その、大丈夫です。気にしないでください」
女の子は立ち上がり、その先の望星学校に向かって歩いて行く。もしかしてこの子。
「君」
「な、なな、なんですか?」
声をかけた女の子は凄く怯えていた。
「その、君も望星学校に行くの?」
「は、は、はい…この学校の生徒だから…」
女の子は目をそらしながら答える。それにしても目を合わせてくれない。
「よかったら、一緒に行かない?」
「いい、一緒にですか…ご、ごめんなさい!」
女の子はそう言うと、急に走り出した。
「あっ、いっちゃたよ…あの子も同じ学校に通うのか」
俺は走り去っていく小さな後ろ姿を見ていた。さて、教室に行くか。
「ここが教室か」
上を見上げると1-Aと言う札が吊られてる。俺は扉を開く、中は意外と普通なんだな。あたりを見回してると、どこかで見たことがある姿を発見した。もしかして
「君」
「ひ、ひゃあ」
後ろから声を掛けるとその女の子はぴょんと少し跳ねた。
「ごごご、ごめんなさい。あの、その、いきなり声をかけられたので」
「いや、こっちもいきなり声をかけてごめん。その、さっきぶりだね。隣座ってもいいかい?」
「かか、構わないですよ…」
俺はルーシーの隣の席に座った。
「………」
「………」
沈黙が続く、どうしよう…何を話そう。
「あの、俺の名前は秋羽東矢。君の名前は?」
「る、ルーシー・ベルナートです」
「よろしく、ルーシー」
「よよよ、よろしくお願いします。秋羽くん」
ルーシーは立ち上がってペコリとお辞儀した。
「そこまでしなくてもいいよ。もっと気楽にいこう」
「は、はい」
ルーシーは勢いよく椅子に座った。ルーシーって面白いかも。
「先生なかなか来ないな」
「そろそろ、来るんじゃないでしょうか」
ガラガラと扉の開く音がした。
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