初っ端からエンディングだぜ?泣けよ

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今は10月の下旬、神無月である。由来は確か、出雲大社に各地の神様が集まって、自分の神社を留守にするからだっけ。まぁそんなことはどうでもいいんだ。 高校三年生、センター試験までの残り時間僅かな時間を勉強に費やし、華のあるキャンパスライフを夢見て日夜徹夜する時期である。 だから今の俺みたいに、駅のホームで今では珍しいガラケーを開き、某小説投稿サイトでお気に入りのチート小説なんて読むべきではないのだ。 うん、でも受験戦士にも休息は必要だよね。休息した分は徹夜して何とかするしぃ?むしろちょっとした休憩が勉強への活力になるしぃ?それにほら、小説の続きが気になって勉強に集中出来ないじゃん? 悲しき哉、合格するか危ういからこそ勉強を頑張れないのだ。頑張れる人間は頑張れるが、いまいち頑張れない人間の方が多いだろう。ダメだよこれから受験の皆、こういう受験戦士になってはいけない。お兄さんと約束だ。 でなきゃ確実に受験戦士は受験で戦死するからな。 小説を読んでいるとすぐに電車がやって来てため、家へと帰る。電車の中でチート小説を読んでいて爆笑してしまい他のお客さんから奇異な目で見られたり、駅から家までの道を自転車で歌いながら走っているところを見られてJCに引かれたなんてことは無かった、絶対に。 ▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼ 受験戦士の朝は早い。 6時に起床し、母が作ってくれた朝食を掻き込み6時半には身支度を整えて弁当を持って自転車で駅へと向かう。いつもありがとう母さん、口に出すのは恥ずかしいけど俺頑張るよ。昨日仮眠しようとして爆睡しちゃったけど頑張るよ。 と、全力で自転車を漕いで駅へと向かう途中、あることに気付いた。やっべ、電車の定期券を家に忘れて来た。今から戻るか?いやでも間に合わないだろうしなぁ……。
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