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しかもこの電車を逃したら次の電車は2時間以上先だ、これだから田舎は困る。よし、ここは奥の手を使おう。
そう結論づけて俺は自転車のスピードを緩める。結果、駅に着いたのは電車がちょうど駅に到着したころだった。時間ギリギリに現れた乗客を見て、駅員は「早く行きなさい」と呆れた顔でジェスチャーする。
これぞ必殺、「駆け込み乗車で時間の無さをアピールし、乗車券の確認をスルーする戦法」だ。自動改札の無い田舎だからこそ出来る荒業である。え?無賃乗車?何それ怖い……。
しかし、電車に乗ってからも大変だ。電車に乗るといつもの指定席に友人が1人、部活の後輩が1人、ゴミが1つ。ゴミと言っても、カテゴリー的には同じ霊長類なのだがゴミはゴミだ。自称温厚な俺が殺意の波動に目覚めそうなる、凄いゴミだ。
俺は電車の乗っている約50分間、この殺意と戦いながら過ごさねばならない。因みに部活はサッカー部だったのだが、今はもう辞めている。それにはこのゴミが深く関わっているのだが……今は置いておこう。
さ、小説の続きでも読むかな…………。
「……えー、間もなくー、○○駅ー、○○駅でございます。お忘れ物の無いよう……」
あれ、もう着いたのか。いやぁ、まさかアレがああなってアレがああなるなんて驚いた。時間を忘れて読みいってしまったよ。
ん?乗車券が不味くないかって?それはほら、アレだよアレ。この駅の駅員さんとは仲がいいから顔パスだよ。たまにお菓子とかくれるんだぜ?
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