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「はぁ……」
七美の大きなため息が部屋に広がった。
あの夜から、七美の頭の中にはお涼がいた。
「七美、そんなに多いなため息。心配事ですか?」
桜海姫が、何度となくため息を吐く七美を心配していた。
「え?いえ……すいません。大丈夫です」
七美は頬を紅く染め、恥ずかしそうに俯いてしまった。
「どこか身体の具合が悪いの?」
「いえ、桜姫様。大丈夫です」
まさかお涼が気になって仕方がない。など言えるはずもない。
「それより、桜姫様。お鈴の局様と何処へ行かれるのですか?」
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