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「私はオナゴを抱かない。抱かれる気もない」
ハッキリと言い切り、射るような視線で三上をみる。
三上はお鈴の局を崇拝する以上に愛していた。
しかし、その愛が時に邪魔をする事をお鈴の局は知っていた。
そして、愛が大きいが故に起こるこれからの事態も分かっている。
「私の邪魔をするようであれば、オマエに暇をだす」
「はい。お鈴様の邪魔は致しませぬ。どうかお傍に置いてください」
三上の瞳からは涙があふれ、畳を濡らしてしまっていた。
「私に忠義を示せ。愛など不要じゃ」
お鈴の局はそう言い放ち、三上を部屋から追い出した。
三上は涙を堪えながら、自室へと帰って行った。
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