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お涼は湯場を片付け、紗江の元へと向かった。
そして、お鈴の局からの伝言を伝え、自分の持ち場へと戻る。
伝言を聞いた紗江は、舌舐めずりをしながら、今宵の事を考える。
今夜の寝所当番の女中には自分が寝所の番をする事を伝える大変喜ばれた。
おみつの寝所の番は女中たちの間で噂になり、誰も自ら志願する者がいなかったからだ。
おみつの女中たちは皆、おみつをよく思っていなかった。
美藤姫の中臈であった、おみつが上様の御内証の方になった経緯が定かでない事。
そして、日頃のおみつの態度が女中たちの反感を買っていた。
上から目線でモノを言い、当たり前の様に贅を尽くす。
質素な桜海姫とは正反対なおみつがそこにはいた。
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