その19

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おみつの態度は勿論お鈴の局の耳にも入っていた。 今回、紗江に課せられた事は、おみつが側室として用済みを表している。 「今宵は私がお傍におります」 紗江は、寝所にやってきたおみつに声を掛けた。 「紗江か……ねぇ、上様はいついらっしゃるかお鈴の局様に聞いてみてはくれないか?」 おみつは紗江の前に立ち、そう言った。 「私では何も……」 「お鈴の局様の元にいたのは紗江おまえだけ。どうか口を聞いてくれないか?」 「私から話せる事はございません」 「使えぬヤツだな」 おみつは手のひらを返したように乱暴な口ぶりに変わった。
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