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お鈴の局。
七美が最も警戒している人物。
大奥を取り仕切り、悪い噂や評判もない。
それが返って不信感を募らせた。
誰しも陰口の一つや二つあるものなのに、お鈴の局に関しては全くと言って良いほど、その類の話は出ていない。
いや、耳にしたことが無かった。
あの夜、三上にキスをされた。
けれど、酔いの席での事。
そう、七美は忘れるようにしている。
現に、三上はいたって普通に七美に接してくるし、三上に対して怖いと感じてはいないので、深く考える事はしないでいた。
それよりも、お涼に抱いてしまった感情の方が七美を不安にさせた。
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