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そして出立の朝。
桜海姫は籠に乗り、お鈴の局の籠の後ろについた。
七美は桜海姫の籠の横を歩く。
お忍びで向かわれる先は、海が見える宿場町。
一日を歩き通し着いた先には温泉が待っている。
美容に効果がある温泉の宿で一泊し、翌日近くの山寺を参拝する。
その山寺は夫婦石と呼ばれる石が奉納されており、夫婦円満、家内安全、沢山の夫婦が参拝に訪れているらしい。
「桜姫様、湯加減はいかがですか?」
美容に効くという泥温泉。
沈殿した泥を身体に塗れば保湿効果が得られると言われている。
「いい湯だわ」
桜海姫のリラックスした声が聞こえてきた。
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