776人が本棚に入れています
本棚に追加
「何か面白い話はあったか?」
お鈴の局は湯に身体を沈めながら、お涼に聞いた。
「そうですね。お美結様の女中が紗江を訝しがっているようです」
湯の中から出ている脚を触りながら、お涼が答える。
「紗江……あやつ、勝手な事はしていないだろうな?」
「はい。……ただ、紗江は元々がアレですので」
紗江は一太と同じ芝居小屋で役者をしていた。
ただ、小柄で女顔の為、男性役が出来ず、大きな武器を一太が見つけ、お鈴の局の元で働くようになった。
芝居小屋で役者は大変モテる。
そしてみな女慣れしている。
紗江もその一人で、毎晩のように女を替え遊んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!