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「お鈴様……」
お涼のかすれた声が湯場に広がり、お鈴の局の卑鳴がそれをそれをかき消す。
あの手この手で攻められたお鈴の局は、ややぐったりとしながら部屋へと戻ってきた。
「大丈夫ですか?」
三上が心配そうに顔を歪める。
「お涼のヤツめ……」
お鈴の局は恨めしそうにそう言った。
「お涼様と……」
三上は顔を背け、泣きそうな表情を隠した。
「三上、私に抱いている感情は邪魔じゃ」
「はい、申し訳ございません」
「つらいようなら、オマエに暇をだす」
零れそうな涙を振り払うように三上は顔をあげた。
「それだけはご勘弁を……」
そういい、深く頭を下げた。
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