その22

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その様子を三上が見ている事に二人は気づいていた。 お鈴の局はお涼を使い、三上が自分から関心を逸らすことを考え、お涼は三上の分までお鈴の局を愛した。 「して、お涼は何か用があってきたんじゃろ?」 乱れた着物を直し、お涼が入れたお茶に口をつけながらお鈴の局は声を掛けた。 「はい、浅香様がお基さんの事で……」 浅香はお基の養父。 美藤姫について葛西の屋敷に降りた事を、浅香はしらない。 「はぁ……分かった。近いうちにでも会うとする」 「はい。それと小耳に挟んだのですが……」
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