その22

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「紗江はまだ居たか?」 「はい明日、城下へ降りる予定です」 「そうか……紗江におみつについていた女中で浅香の好みに合いそうなオナゴがいないか聞いて。そして、その女中をつれてまいれ」 お涼は一礼すると部屋をでて、紗江の元へと向かった。 「三上、いるのなら入ってこんか」 「はい、失礼します」 目元を腫らした三上が、深々とお辞儀をしながら入ってきた。 「オマエに頼みがある」 三上はそう言われ驚いたように顔を上げた。 「お涼が連れてくる女中を一太の所へ。明日の朝一に出立し、夕方には連れて戻ってこい」
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