第1章   再会

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どちらにも取れるし、 どちらとも取れる その言い回しの解釈や是非は一旦置いておくとして、 私が言いたいことはただ一つだ。 そんなふうだったら、連絡なんかしてこないで、 ということである。 言い換えれば、 突然、そんなことを伝えられた方は とてつもなく迷惑だし、困惑するということである。 それも、5年ぶりの連絡がこうなのである。 正直、迷惑も甚だしいというのが正直なところだ。 「こんな時だけ都合がよすぎる」 と思うのは私の高慢だろうか。 私は心が狭すぎるのだろうか。 だけど、今の私には こんなことを聞かされて 心配なの気持ちももちろん持ち合わせているのだが、 心の片隅のもう片方で、 ついさっきの妹の言葉がどうしても気にかかるがゆえの わだかりとも言えるものがどうしても拭えないのである。 あと、そこにはやはり5年の空白が生んだ 警戒心のようなものも存在していただろうか。 そして、夫には申し訳なくてしようがなかった。
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