第1章   再会

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妹の子どもを見て、改めて思った。 私たちはこんなにも会っていなかったのだと。 そのことが妙に私の心を鎮めさせた。 「あっ、どうぞ」 まだ私の声は余所余所しい。 お客様扱いだ。 ただ、子どもが一緒だったことで 幾分か会話がしやすかったのはありがたかった。 それは向こうも同じだったことだろう。 本題に入るまでの下ごしらえを用意できた。 「お名前なんて言うの?」 「駿です」 「そう、駿君って言うんだ」 「何歳ですか?」 「2歳です」 そう、私は甥っ子の名前も年齢も正確には 知らなかったのだ。 名前くらいはなんかのついでに、 といっても敢えて教えてもらったわけではなくて、 父と母と弟が話しているのを小耳にしたのを うろ覚えではあったが私が覚えていたのだった。 それも「この会話からすると、恐らく妹の子が 駿って言うんだろうな」 と、会話を拾っての記憶だった。
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