第1章   再会

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こんな静けさほど気持ちの悪いものはない。 それはお互いにだ。 どちらかが破らなければならない、この静寂。 もう、覚悟を決めるしかないのだ、 それは今さらだけど・・・。 「それで?」 切り出したのは私だった。 妙に冷たかったかもしれない。 妹は私を頼ってきたのだ。 そうだとしたら、私のまず最初のひと言は あまりにも優しさを欠いていたかもしれない。 だけど、 その時の私にはそういうつもりはなく、 ただ、緊張からくる目一杯の言葉なのであった。 その証拠に、喉は乾き切っていたもの。
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