第1章   再会

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ついさっきまで私はなんと可愛らしい予想をしていたのだろう。 なんとまあ、幼稚な想像に留まっていたのだろうか。 そんなふうにさえ思えてくる。 私はほんの1、2時間前まで、夫と 「直也さん、何か事故でも起こしたんだろうか」 と言い合っていたのである。 もちろん、交通事故が大したことないというのでは毛頭なくて、 それだって大変なことであるのは間違いないのだけれど、 えっ、 えっ、 妹の言っていることは事が大きすぎるように思う。 妹が今、私に伝えていることは私にとっては他人事か、 夢の中でのことでしかないのだけれど・・・ どうしてもそうとしか思えないのだけれど・・・ 今、私は「妹の言っていることは事が大きすぎるように思う」 って言ったよね。 そう、「思う」って・・・。 現実じゃない、現実的じゃない。 あくまで、「そう思う」って範囲。 えっ、 えっ、 わからない、 理解できない私、理解出来ていない私。 ちょっと待って、 ちょっと待ってよ・・・ えっ、誰のこと? 誰のこと言ってるの? もしかして、また嘘をついてるの? からかってるの? えっ、 ちょっと・・・
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